日本語指導者養成講座の記録
第2回講座レポート(2012-06-03)

今回は中川先生の講座を聞くだけではなく、与えられた課題を参加者で協議し発表するという形式で進められました
参考までにその課題を要約しますと、
1) 日本国内では、どんな人がどんな目的で、どのような日本語を求めているか、グループで話し合ってみよう。
2) 上記の人たちに次の項目を教えるとしたら、どんな語彙や文型が必要か、またどんな方法で教えるのがいいだろうか。
@ 進行中の動作を表す「〜ています」
A 可能形
B 形容詞
C 助数詞
4グループに分かれて、各グループが上記@〜Cのいずれかを担当しました。
各グループが想定した生徒は、国際結婚した女性、研修生、子供などさまざまです。
各グループの発表の後、中川先生から講評をいただきましたが、いずれも的確で心当たりのあることばかりでした。
@ のグループは先生役と国際結婚したフィリピン女性という想定の生徒役で模擬授
業をしましたが、
「〜ています」の説明に生徒がまだ習得していない(と予想される)語彙を使っているとの指摘がありました。
ポイントは「ティーチャートーク」。それまでに教えた語彙の範囲で説明すること。できれば言葉を使わず理解させる。
この場合だと実際の動作(例えば飲み物を飲んでいる動作をして「飲んでいます」と言う)をして見せ、次に生徒にもやらせる、という形。
A の可能性については、日常生活では許可や禁止で可能形を使う場合が多いでしょうから、
それらを優先的に教えるとよいでしょう、とのことでした。
例えば「ここで写真を撮れますか?」
それから、ら抜きで教えないこと。「食べれる」ではなく「食べられる」と正確に。
B の形容詞の担当グループは、絵カードで形容詞を対比して教える、という方法を発表されました。
大きいと小さい、速いと遅いなど。
先生のコメントは「使う絵は同じものを描いてください。例えば同じかばんの絵で大きい、小さいを表すように。」
最後のC 助数詞の担当グループは、紙とペン、消しゴムを使い「枚」と「本」「個」を模擬授業にして発表していました。
生徒は子供という前提です。
発表後、すぐに他の参加者から「本数を数える場合、1ぽん、2ほん、3ぼんと助数詞の言い方が変わりますが、
これをどう教えますか?」という質問が来ました。
先生からのアドバイスは「他の助数詞も集めて規則性を調べてはどうですか?」というものでした。
今回の講座の全般を通して参考になったのは、説明せずに理解させるという教え方です。
私はとかく口頭で説明しようとしますが、説明の中に生徒の知らない語彙が出てきて
さらにその意味を質問されるという状態に陥りタジタジになる時があります。
絵を使う、動作で表す、道具を使うなどさまざまな教授方法を知っておくことが重要だと思いました。
第3回、第4回ではこの辺のことも講義に出てきますので楽しみです。
(レポート:ばってんT村)